話数単位で選ぶ、2022年TVアニメ10選
大した本数観てないだろって話になるんだけど、好きなアニメを共有する楽しさには抗えないので素直に本能に従って書き連ねます。
■「話数単位で選ぶ、2022年TVアニメ10選」ルール
・2022年1月1日~12月31日までに放送されたTVアニメ(再放送を除く)から選定。
・1作品につき上限1話。
・順位は付けない。
・集計対象は2022年中に公開されたものとします。
企画元:https://aninado.com/archives/2022/12/02/940/
■明日ちゃんのセーラー服 第7話「聴かせてください」
蛇森さんが明日小路という才能の集合体の期待に応えるべく奮闘するお話。
下手にカッコつけようとせずに、自分に出来る身近なことから少しずつやっていけばいいっていう中学生らしい葛藤の解決のヒントを6話までほぼ出番の無かったルームメイトの戸鹿野さんから貰うってのが良いね。
言わずもがな夕暮れの教室で蛇森さんがたどたどしくギターを弾き語るシーンは後世に遺したい映像作品。
スピッツはそんなに真剣に聴いてきた訳ではないんだけど、恋する凡人みたいな泥臭い曲が結構好きだったりします(誰も聞いてねーよ!)(オードリー春日)
■ヒーラー・ガール 第3話「お掃除、ラン・ラン・ラン」
モブの治療回ばかりでそれまでパッとしなかった本作の評価を一変するきっかけになった回。
試験勉強でノイローゼになった3人がBパートほぼ全編通してセリフがミュージカル調になってるのと、リレーの最後で全力疾走して1位をかっさらう森嶋響さんの絵面が痛快すぎる。
1,2話は世界観を理解しようとするほうに意識が向いていたので、Aパートの3人の小気味好いやりとりを純粋に楽しめたのも良かった。
この回に限らず全編通してキャラの会話劇のテンポの良さが抜群で、とにかく観ていて気持ちの良いアニメを作ってるな~と感心する場面が多かったです。
神様 仏様 響ちゃんま
■怪人開発部の黒井津さん 第2話「闇の湯壺で貪り合う悪鬼の叫びを耳に眠る、伝説の名を持つ地獄の使徒は、恐怖を携えてこの地に目覚める」
まずAパートの出張エピソードでメギストス様の有能さ、器のデカさ、お茶目さがふんだんに詰め込まれててこれだけでも満足度が高いんだけど、Bパートのカノンくん製作工程が怪人開発部のお仕事紹介エピソードとして凄く良く機能してた。
社内の色んなセクションの意見を集約して予算を加味しながら成果物を作る過程なんかは工場長が黒井津さんの仕事への姿勢を褒めるシーンも含めてここ数年のお仕事アニメの中でいちばん労働現場の解像度が高かったんじゃないかと思う。
最後に実写のカノンくんが爆発で吹き飛ぶカットは今年唯一声出して笑ったシーンかも。
「さてはウルフくん、ブラつけてないね?」
— 曽我 (@h1r0sh111) 2022年1月16日
「つけるワケねーだろ!ブラなんか持ってねーよ!」
「ふふ、今度買いに行こっか!」
↑これNEW HORIZONの英会話例文に載せてほしい
■虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会(第2期)第5話「開幕!ドリームランド↑↑(*'▽')」
オ~オ~オ~オ~オオ~オオオオ~オ~~~(とんぼ)
俺たちが見たかった虹ヶ咲学園が帰ってきた。
アニメ版ストーリーにおけるA・ZU・NA結成エピソードなんだけど、キャラの奇行が目立ってかなり奇天烈な回に仕上がってる。
こういうしつこくない塩梅で深夜アニメ然としたキャラ萌え要素を効果的に配分してくれるのがこのアニメの大好きな点です。他のシリーズ作品にケチを付ける訳ではないんだけど。
表現者として次のステージに進もうとするしずくの物語の筈なのに、好き放題やってる上原さんがどうしても強烈に印象に残ってしまう。
奇抜さが目立つ回だけどアイドル活動を通じて自分の好きな事、ひいては自分自身を表現したいっていう虹ヶ咲の物語の主軸からは外れてなくて、寧ろこの回がいちばんその衝動に忠実なまであるんだよね。
アニメ虹ヶ咲は1期、2期通してアイドル活動そのものに押しつけがましい部分がほとんど無いので、本当にストレス無く観ることができました。決して他のシリーズ作品にケチを付ける訳ではないんだけど。
■ルミナスウィッチーズ 第6話「夢色コントレイル」
最初に白状しておくと俺はこの作品を観始めるまでウィッチーズシリーズは未視聴だったので、色眼鏡無しで本作に向き合うことができたのは良い体験だったと思う。
この6話は突出して出来が良くて、マリアとマナの人となりを紹介する当番回の役割を持ちながら、理論派と感覚派の衝突・和解・歩み寄りによるパフォーマンスの昇華の過程が丁寧に描かれてた。
あとは窓から演目図を投げ捨てるシーンとか、夕日と挿入歌をバックに2人でアクロバット飛行するシーンとか、随所で演出が光ってた印象。
最後にマリアが開き直って自分の飛行能力の無さをフォローしてもらうために隊の訓練メニューを難化させたのも潔すぎて好きな締め方です。
マリアの声優、ド新人なんだろうけど泣き演技がメチャクチャ上手かったし、唯一無二の声色だと思うので色んな作品に出てほしい。出せ。
■Extreme Hearts 第9話「SNOW WOLF」
スポ根作品として観れば1話フルで使って決勝を闘った11話が挙がるんだろうけど、ここはスノーウルフの登場から試合の決着までを描き切った9話を挙げたい。
8話分の積み重ねがあるRISEに対して、前話で簡単な紹介はあったもののほぼ初めましてのスノーウルフにここまで試合に負けてほしくないという感情を抱かせた話作りは素直に賞賛したい。
ポッと出のキャラに感情移入するのって相当綿密な設定がないと難しいんだけど、河川敷での葉山所長との邂逅とか、苦学生みたいな生活してて食い意地が張ってたりだとか、ミシェルとアシュリーのバディ感とか、キャラに愛着を湧かせる要素作りが上手いな~と感心した。
作中で先の大会の存在が明示されてるから話の広げ方はいくらでもあると思うので続編に期待したい。
■サマータイムレンダ 第25話「ただいま」
息を吞む展開が続く本編でようやく最後に平和な日常を勝ち取った主人公の慎平とその周辺の、文字通り大団円のアフターストーリー。
これは兼ねてから口にしてるんだけど、2クール以上続くサスペンス・バトル系統の作品のエピローグは丸々1話使ってでも丁寧に描くべきだと思う。物語の満足度に直結するので(その観点だとエイティシックス最終話も凄く良かった)
ちょっと上手く出来過ぎなハッピーエンドも、これまでの難易度ハードコアな展開を踏まえるとどれも嬉しさが勝って快く受け入れられた。
離島の夏の風景が、田舎の心地良い閉塞感(実際はそんなもの無いんですが...)と共に随所に美しく描かれてて、これ以上無いくらいに綺麗な物語の締め方だったと思う。
あと小舟澪が最初から最後までメチャクチャ好きなキャラクターやってくれてたのがだいぶデカいです。
オマエ純真無垢な幼馴染負けヒロインが好きなの中学の時から変わってねぇな~(同窓会)
■不徳のギルド 第7話「ムリゲー/ミントアイス」
トキシッコ
嗚呼トキシッコ・
ダナーさん
[曽我、仁徳の一句]
モンスターに蹂躙されたり、トンデモ展開で服が弾け飛んだりしてエロが展開される今作において、ヒロインが自らの意思に基づいてそういうシチュエーションに持ち込む展開は予想の斜め上だったので衝撃的だった。
ヨケグモとの戦闘シーンもそこらへんのバトルアニメのクオリティを凌駕しうる出来栄えで、この作品のポテンシャルの高さを改めて実感した回。
なんだかんだパーティーの仲間の戦闘適正や身の安全を第一に考えて行動するキクルの人徳が全話通して光ってた。これもう道徳のギルドだろ。
エロを抜きにしてもギャグの鋭さが全話見応えのある傑作なので、女性への性的搾取に特に抵抗無いよって方は観た方がいいです。
■ぼっち・ざ・ろっく 第5話「飛べない魚」
オーディション回。
たぶんインターネットに星の数ほど感想が上がってるからあんまり詳しく書きたくないんだけど、後藤ひとりのバンドを続ける根源的な欲求がチヤホヤされたいっていう超個人的な理由であることをはっきり言語化できてたのが良かった。
自分の好きなバンドが言ってた事だけど、ロックバンドが音楽を続けていく理由ってメンバー自分自身のため以外に無いほうが良いに決まってるので。
山田リョウのビジュアルがド好みなの絶対バレたくない。
■アオアシ 第24話「これから」
リアタイしてた訳じゃないんだけど、漫画の評判が良いのとブルーロックを見て純粋な団体競技としてのサッカーをアニメで見たくなったので視聴。
素人にも飲み込みやすいように戦術のイロハを噛み砕いて説明した上で地に足の着いたサッカーをやってるので非常に視聴しやすかった。
試合シーンはどの回切り取ってもおもしろいんだけどやっぱりDFとしての葦人の成長の集大成でもある最終話のゴールシーンが脳汁ドバドバモンで最高だった。
一条花と海堂杏里のヒロイン対決、W杯決勝よりアツい。
以下、その他候補作品群
■スローループ 第11話「大切なもの」
■であいもん 第6話「芋名月」
■まちカドまぞく 2丁目 第6話「夕日の誓い! まぞくたちの進む道」
■恋は世界征服のあとで 第2話「デートの真理」
■よふかしのうた 第4話「せまくない?」
■リコリス・リコイル 第3話「More haste, less speed」
■シャインポスト 第6話「聖舞理王は<<褒められたい>>」
■ヤマノススメ Next Summit 第12話「行こう!新しい頂きへ」
■アキバ冥途戦争 第10話「メイド心中 電気街を濡らす涙雨」
■Do It Yourself!!第12話「DIYって、どんなときも・いつまでも・ゆうじょう!」