話数単位で選ぶ、2023年TVアニメ10選
今年もやっていきたいと思います。
多くは語らねえ。
■「話数単位で選ぶ、2023年TVアニメ10選」ルール
・2023年1月1日~12月31日までに放送されたTVアニメ(再放送を除く)から選定。
・1作品につき上限1話。
・順位は付けない。
企画元:https://aninado.com/archives/2023/12/10/1047/
天才声優伊藤彩沙の演技が光る。稽古は辛いし、対して強くなれなかった、それでも未知にとって一本を取る気持ち良さは何物にも代えがたい経験であって、それを永遠に投げ技を決めたことで思い出す。思い出してしまう。ここのやるせなさと嬉しさの入り混じった未知の表情が本当に良くて...
日焼けすると痛いから海には行かなくても...と諭す早苗に対して食い気味の「海は行く!」って台詞からも、柔道だけじゃなくて青春も余さずやるぞ!ってところにこの作品の持つ眩しさがある。
初っ端から私情全開で申し訳ないんだけど、未知みたいに環境が変わる節目でそれまで続けてた競技を続けるかどうか悩んだことが過去にあって、自然と自分の境遇を重ねて観てしまった。
部活動(特に体育会系)って時間的制約も多いし体力根こそぎ持ってかれるし怠いし臭いしで私生活において毒でしかないんだけど、そこでしか得られない体験を追い求めてなんだかんだ続けちゃって、未知にとってのそれが「一本」であるように、自分にとっても簡単に割り切って捨てられないものが確かにあって、そんな事を考えてたら涙がボコボコ溢れて止まらなくなっちゃったんですよね。
次アニメの感想で自分語り始めたら本当に殺してください。俺の下らない人生の一幕でアニメの評価を落としたくないので。
■ツルネ -つながりの一射- 第6話「姫反り成る」
ツルネってどうせスカした男キャラが一生ネチネチした人間関係やってるアニメだろ?←はい残念。お前今2023年最萌キャラ3人取り溢したからね。
1期から存在感はありつつも目立った出番の無かった女子部員待望のメイン回。
特に印象に残ったのが試合中の回想シーン。日常風景の中で2人が他の1人の射を評価し合うって場面を3人分やるんだけど、これって部活で同じ時間を過ごす中で互いの性格や癖を理解していったからこそ出来ることで、作中の登場回数が少なくても3人が親密な関係を築いていることが分かる秀逸な場面だった。
女の子同士で、お揃いの握り革を巻きなさい(天皇)
男子の試合シーンでは草葉が舞うのに対して、女子は花弁が舞うのも華やかさと凛々しさを象徴していて映像的な美しさにも磨きがかかってた。
あと試合後に夕日の差す控室に脱力して座り込んでるカット、あれけいおん!のオマージュだよな?
この回は主人公の湊たちが「息合い」のヒントを掴む回でもあるんだけど、2期のツルネってこういう課題解決へのステップが丁寧でかつ冗長にならなくて、1期よりも弓道の本質に迫った内容になってたから見応えがあった。
タッパのデケえオンナ
— 曽我 (@h1r0sh111) 2023年2月8日
お嬢様口調のオンナ
お日様みてえなオンナ
100 100 100
全日本萌え女コンクール ゴールド金賞 pic.twitter.com/9eZXsOg5MS
ユーフォ3期も楽しみですね
■江戸前エルフ 第9話「Time After Time」
Aパート、雨に関する江戸豆知識を交えながらの日常回。
「でもでもっ、ドローンさんだけ濡れちゃうのはかわいそうだよ!」←萌えすぎます!!!!!!!!!!!!
この作品、エルダと小糸と小柚子の3姉妹のような掛け合いが本当に楽しくて~...
Bパートで本殿の整理整頓中に発見した昔のビデオテープを再生して亡き母の姿を見る小糸。
ビデオテープをあげようかと問うエルダに対して小糸の「ううん、エルダが持ってて」は、自分よりもこの先老いずに高耳神社に残り続けるエルダ(ビデオテープに映る今と変わらないエルダの姿を見てこの意識が一層強くなってる)に過去、そして現在の思い出を託したいっていう小糸の想いが滲んでいて切ない...
Aパートを観返すと、雨が止んで外に駆け出す小金井姉妹が美しい静止画で切り出されるんだけど、そこにエルダは映ってなくて、少し離れた場所から寂しさの混じる表情で2人を眺めている構図に気付く。
『たまにするその顔 遠くに行ってしまいそうでさ 好きじゃなかった』.........
江戸前エルフ、デフォルメを多用した心地の良い日常コメディの中にも寿命差を意識させる描写が随所にあって、楽しいながらもしっとりと味のある作品でした。
■スキップとローファー 第6話「シトシト チカチカ」
天候描写が光る梅雨のお話。
志摩くんの急な欠席とその理由を案じてモヤモヤする美津未。ここらへん真面目な田舎娘感が如実に表れてて愛おしい。その純朴さで官僚は無理でしょ。
2人きりになった教室の息が詰まりそうなジメっとした陰鬱感の表現もすごかった。
互いの本心を打ち明けた所でパァッと日が差すのと同時に、志摩くんが放った「女の子とこんなふうにちゃんと友達になるの初めてかも」という台詞に真っ赤になる美津未。(ここマジで沸騰したやかんみたいな声出てて面白い)
青い温度の正体、見つけちまったなァ~~~~!
この回は地元の友達のふみちゃんからの恋バナで始まって、その時は"恋"を認識できていなかった美津未が最後にふみちゃんへ"恋"を自覚したことに対する苦しい言い訳を叫びながら終わる構成で、単話として綺麗に纏まってた。
スキローってひたすら岩倉美津未の感情の起伏にニタニタできてそれだけで満足度高いんだけど、周りの登場人物も善意に満ちててメチャクチャあったけえコミュニケーションが展開されるから得られる多幸感がすごい。
「ていうか思ってること話し合うみたいなこと?あんま意味感じないんだよね。」←志摩くんってもしかして俺?
■君は放課後インソムニア 第11話「夜明けの⼀番星」
ゥウウーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー(俺が眩しすぎるジュブナイル作品に脳を焼かれた時に出動する消防車)
同級生の女子と日中ずっとカメラ片手に歩き回って、帰ったら一緒に飯作って、洗濯して、襖を挟んだ部屋で寝泊まりして、え、新婚生活?あのさぁ~学生の本分は勉学であって~
見附島のロケハン中の伊咲の仕草一つ一つが微笑ましくて、2人の絶妙な距離感が小気味好くももどかしい。
見せ場のキスシーン、顔が崩落現場みたいにグチャグチャになっちゃった。ここの衝撃が強すぎて選出せざるを得なかった感はある。丸太が変にカッコつけずに「曲にキスされた!!」ってはしゃいでんのが等身大の高校生っぽさが出てていいね。
俺の人生にも曲伊咲インストールして全部やり直したい。でも中見丸太の気概溢れる精神も持ち合わせてないし運動神経も悪いからたぶん見向きもされなくて...
あ〜……フロント?コーヒー持って来てや(日帰り利用客) pic.twitter.com/tPEpm9ITmL
— 曽我 (@h1r0sh111) 2023年5月5日
見附島先取り聖地巡礼(この4分後に震度6強の地震が来て死にかけます)
■BanG Dream! It's MyGO!!!!! 第7話「今日のライブが終わっても」
やっぱり今年一番爪痕を残したのってこの回なんじゃないかな...という意味での選出。
MyGOの物語における大きなターニングポイントでもあるし、単純にバンドリアニメのライブ演出の進化度合も目ぼしかった。
控え室で引きのカメラアングルでメンバー全体を映して足並みの揃わなさを一層強調させたり、3話の燈の一人称視点もそうだったけど、今までのシリーズになかった表現技法を試みてるのも新鮮だった。
体調が悪くてトイレに行ったと見せかけて大量のケータリングを抱えて戻って来る女、何?
ライブシーンの碧天伴走、これは5話で迷子のまま進むことを共に決心した愛音に向けた歌で、真っすぐなエールが込められた歌詞が沁みる。そして曲間、
「私は、必死にやるしかできない、だって、私の詩は心の叫びだから。」
CRYCHIC解散の原因が自分の歌唱にあると思ってる燈の中で「ボーカル必死過ぎ」っていう批評がずっと引っ掛かってて、以来歌うことに不安が付き纏ってたけど、結局燈にとっての自己表現の手法って詩しかなくて、迷子のまま進むことを決めた以上、心の叫びを詩に乗せて必死で歌うことしかできない。その一点突破の覚悟が現れた力強い訴えが胸に響いた。
そして楽奈のアルペジオから繋がる春日影。燈の体の奥から絞り出すような歌い方や、楽奈のアドレナリンで自然に口角が引き上がる姿が鮮やかに描かれてたのが印象的。曲の終盤に向けてメンバーのボルテージも高まり......あれ、一人様子がおかしいぞ...?
ここらへんのヒヤヒヤ感は正直リアタイしていて面白さが先行してしまった感はある。春日影で大喜利を楽しんだ人はそよさんのタワマンの床を舐めて謝ろう。
すき家にお越しの皆さん、こんにちは!千早愛音です!
— 曽我 (@h1r0sh111) 2023年9月10日
MyGO2期がハネてこれ実現してほしい
■スパイ教室 第19話「File 《忘我》のアネット」
俺様、アニメ感想ブログを書きます!(SSスレ)
スパイ教室、最初はスパイものとしてちょっと粗が目立ちすぎでは...?と懐疑的だったけど、近代スパイ活劇を舞台装置とした美少女動物園だと割り切って観るとこれがなかなか味の濃い作品になってて一発で順応した。
制作側も自身がトンチキ萌えアニメであることに自覚的だから妙な信頼感が芽生えて、Season2まで来る頃にはキャラにも愛着が沸いてるからマジで何やっても面白い領域に到達しててすごい。
この回はアネットの当番回かつ半分おふざけみたいな回なんだけど、ちゃんと全員の見せ場を用意してるあたり律儀だな~と感心する。
エルナが回を追う毎に「不幸~」「の~」しか喋らないポケモンになっていくの滑稽すぎる。エルナちゃん削り器が灯専用拷問器具として今後登場したらアツイと思います。
お、お前は灯で誰が好きなんだよ......? え、普通にリリィだけど... うわっ!こいつエロじゃん!エロ!笑
■好きな子がめがねを忘れた 第8話「好きな子と告白を見てしまった」
萌えの横暴。この回観ても全然顔動かなかったよ~って人はすぐに病院行ってください。表情筋からALSが進行してるので。
生足とかスカートたくし上げ、囁き声、水着、棒アイス、あらゆるシチュがこの1話に全部詰め込まれてて、性癖のブースターパックかな?
好きめがって本当に三重さんの可愛さだけでブン回せるだけの地力があるんだけど、加えて小村くんの中学生らしい純朴さと攻める所で攻めるガッツを持ち合わせてるキャラ性がすごく好感度高くて、シチュエ-ションの数だけ嬉しさが湧いて出てくる作品に仕上がってた。
この次の9話から2人の関係がグッと進展するのもラブコメ作品として本当に偉くて、だからこそまだ色恋に無自覚な三重さんを堪能できるこの回の価値も高まるんだよね。
たまに演出過剰なところが出るけど、小村くんから見た三重さんの眩しさを表現する光の差し方とかの技法はかなり効果的だったと思う。
■MFゴースト 第8話「音声(ボイス)カウント」
この回も含めて片桐夏向がやってる事ってそこら辺のなろう主人公とそう大差無いんだけど、藤原拓海の教え子っていう設定があらゆるテクニックの説得力になってて「まあそりゃ速いわなぁ...」ってビックリするくらいスッと受け入れられてしまう。(頭文字Dに触れてない人でも藤原拓海の名前とトヨタスプリンタートレノの外観は知ってるくらいだから)
今までが我慢の走りだった分、相手の意表を突いてスバッとオーバーテイクを決めるシーンの連発が爽快。
見せ場で流れるノリノリのBGMと実況の台詞回しが高揚感に拍車を掛けて気持ちイイ~!
レースアニメって開けてみるとレースしてない時間の方が長くて興が削がれることが多いから(またPAオリジナルアニメの話してる?)、こうやってレースシーンを主軸に置いて順位争いの駆け引きで盛り上げさせてくれる作品は素直に嬉しい。
それと西園寺恋の存在も普段のレース外の夏向の人となりを知る上でけっこう重要な役割なんだよね。ちゃんと萌えもカバーできてるし。あっ?!お前今女キャラ要らなくね?って言ったな?ちょっと表出ろよ
■攻略うぉんてっど!~異世界救います!?~ 第12話「最終章 ノアを救う」
ゲーム世界滅亡の危機に救世主エンヤァが立ち向かう!...のではなく、自分を庇って消滅しかけるイノーのピンチに孤軍奮闘する最終回。
ゲーム世界になかなか馴染めなかったエンヤァが、イノーの影響もあってか一時停止とフォトモードを駆使した戦法まで用いるようになって、最後に鬼難易度横スクロールダンジョンに挑むっていう、ここまでゲーム世界ならではの描写を大切にしてきた本作らしい盛り上げ方。
2話で痛い目にあったニワトリトラップの火力を逆手に取ってダメージの通らないラスボスを打ち負かすの、熱すぎ!
この2人、憎まれ口を叩き合いながらも互いに相手の見えない所では向こうを慮る姿勢が見えてすごく魅力的なコンビだった。中国って儒教の源流だからこういう師弟愛描かせたらメチャメチャ強いのかもしれない。
救世主に頼らずゲーム世界の住人だけの力で世界を救うって結末も希望のある終わり方で良かったと思う。
じゃあ結局救世主って一体何だったんだ?異世界救ってないじゃん!って意見もあるけど、タイトルやあらすじでも「異世界救います!?」「異世界を救う大冒険が始まる――!?」って疑問形で終わってるから異世界救うとは明言してないし...(え~...)